平成24年・バックナンバー

平成24年7月
初めての方のための「身語正」入門[17]


中山身語正宗では、お行には、「形の行」「菩薩の浄行」「心の行」の3つがあるといわれます。では、この3つのお行とは、それぞれどういうことなのでしょうか。そして、全宗人がこうしたお行に取り組める宗団の環境づくりである「お行の風土づくり」について考えてみましょう。

学びの森

本宗における三つの行「形の行」「菩薩の浄行」「心の行」
中山身語正宗では、お行には、大きく分けて三つある、といいます。一つは、「形の行」といわれる瀧行、お百度、読経、おすがりといったお行です。これらのお行は、お行らしいお行という意味で、お行といわれる形に叶ったお行であることから、「形の行」と呼ばれます。
二つ目は、「菩薩の浄行(じょうぎょう)」といわれるお行です。このお行は「日々授かるお仕事は、大小上下によらず、これ仏様より授かりたる菩薩の浄行なりと悟り」という『おさづけ』第5条の文句を根拠とするお行です。仏教の中では、日常(生活)即行という考え方が確信されてきました。そのため「お行らしい行だけを行と考えてはいけない」として、日常的な行いをも「お行と受けとって」取り組むことが大切とされてきました。

中山身語正宗では、こうした菩薩の浄行として日常的な行いを受け止める大切な要件に「〈おじひ〉を通して授けていただいたことは、すべてお行として受け止めていけ」と教えていただいています。本宗人の体験談の中にしばしば出てくる「お花の水替え」のお行などというのは、その一例になります。
三つ目は、「心のお行」と呼ばれるお行です。前の二つのお行が専(もっぱ)ら「何かをする」ことをもってお行としていたのに対し、心のお行といわれるこの三番目のお行は、前の二つのお行の実践、実行を通して「どのように心を磨くか」というお行だとされます。この欄で常々申し上げている通り、わたしたちは「こころ」というものを「ものの見方、考え方のこと」と考えさせていただいています。ですから「心の行」すなわち「心を磨くお行」とは、わたしたちの「ものの見方、考え方」をいかにして仏教的に正しいものの見方、考え方に近づけていくかということを念頭におくお行である、ということです。

前の二つのお行は、専らみ仏より「…せよ!」と授けられたものを素直に、文字通りに実践、実行することが主となりますので、その実践に当っての真摯(しんし)さが最も大切にされます。このため、本宗では、前二つのお行は、何の理屈もこねることなく素直に実行されねばなりません。ところが三番目の「心の行」では、前二つのお行の実践、実行を通して自分の「ものの見方、考え方」にどのような変化をもたらすべきか、が問われています。そのため、わたしたちは、常に自分の心の動き、変化や成長を正しく見ていかねばなりません。そして、その変化、成長を正しく計るためには、物差しとなる仏教的ものの見方、考え方に対する基本的な理解が具わっていなくてはなりません。

信仰には、その信仰のあるべき宗教的実践(お行・信心ともいう)と共に、その宗教的実践を体系的、論理的に説明できる理論体系としての「教学」が必要だといわれるのは、このためです。
中山身語正宗の信心において、形の行と菩薩の浄行の二つは、すべての宗人がみ仏のみ前で、み仏に向かって行うべきこととして、その実践が求められています。そこで、それに応えて全宗人がお行に取り組むような宗団になろうとして、「お行の風土づくり」が訴えられているのです。

「こすもす」354号(平成22年6月5日発行)より


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